予告編
2013年夏、福島第一原発が海外メディアに公開され、イタリア人記者ピオ・デミリアは事故の現場を訪れる。そして、巨大地震と恐ろしい津波に見舞われた3.11からの日本の2年半を振り返りながら、避難を余儀なくされた人々の苦しみや、事故当時の首相、菅直人氏をはじめとする政治家の証言をたどり、原発業界の内部の人たちに話を聞いていく。いずれも事故直後の関係機関の対応や、現在でもなお収束していない非常事態の対応における、重大な判断ミスや情報隠ぺいを口にする勇気を持った人たちだ。
記者ピオ・デミリアは、論駁の余地のないデータや、科学的根拠に基づいた確証を得るために取材を続ける。原子力エネルギーの発生メカニズムを徹底的に理解するために。
それは、真実と虚偽を、真相と一意見とを見分け、故意に語られずにいる不都合な真実を覆い隠す「霧」を取り払うと同時に、メディアによる誇張や偽のスクープをも許さないという意志表示でもある